ダレン・ハーディーの新著『The Compound Effect(複利効果)』は、あらゆる分野で成功するために本当に必要なものについて私が学んだ本の中では、トップクラスの良書です。
ダレンが論じている成功への唯一の道は、平凡でつまらなくてありきたりな、時には難しい日々の規律を、長期間にわたって守り続けることです。
たとえば減量をしたくて、1年間毎日150kcal分のスナックや飲み物を控えると仮定しましょう。こんな簡単な規律を守るだけで、1年後には体重が15ポンド(6.8kg)も違ってくるのです(150kcal×365日で54750kcalのカロリー減となります。体重1ポンドあたりの熱量を3500kcalとしてそれを割ると、15.64ポンドの差が出るという計算です)。私の場合、毎日飲むペプシをダイエットペプシに換えると、1日あたり0kcal VS 150kcal×数缶の差が生まれます。
目標達成は日々の努力によって実現するものであって、魔法のような成功の法則のおかげでもなく、奇跡のような新製品のおかげでもなく、ましてや未知のインターネットビジネスのおかげでもありません。大きな成功というものは、どれも小さな成功の上に次の小さな成功が積み重なってできたものであり、時間をかけて築かれるものなのです。
人生の公式
ダレンは人生の公式を考え出しました。「あなたの人生は、選択(決定)+行動パターン(行為)+習慣(繰り返される行動)+複利効果(時間)=目標、という公式に従っています」
選択
ダレンは、「信じられないほど裕福で幸せで健康になるか、あるいは無一文で不幸で不健康になるか、その差は、その人が人生を通してどんな決定をするかにかかっている」と言います。たとえば、健康的な食べ物を選ぶか、健康に良くないと分かっている食べ物を選ぶかの違いです。私が昔から気に入っている、ジム・ローン(アメリカを代表する思想家)の言葉にこのようなものがあります。『成功は、長期にわたって良い決定を積み重ねることにより生まれる。失敗は、長期にわたって悪い決定を積み重ねることにより生まれる』
自分の人生をより良いものにしたいのなら、良い決定をしましょう。良い決定をするために一番大切なのは、 それらを意識して行うことだと私は考えます。つまり何かを決める際には、損得についてよく考えてみるということが必要なのです。思うにほとんどの人が、人生を左右するような大事なことを、じっくり考えもせずに慌ただしく決定しているのではないでしょうか。そしてどうして自分は幸せじゃないのか、健康じゃないのか、成功できないのかと、不思議に思っている人が多いのです。
行動パターン
あなたと目標との間に立ちはだかるもの、それが行動パターンです。ダレンは、「あなたがいくらバリバリのプロフェッショナルを自負していても、遅刻したり準備していなかったりすれば、その行動パターンは毎回あなたを裏切っていることになります」そうした行動を断ち切って、複利効果による負のスパイラルに陥らないようにする必要が、あなたにはありますか?同様に、何を始めれば軌道修正して正しい方向に進めると思いますか?目標についてじっくり考えた場合、どんな行動パターンが成功を阻害している可能性がありますか?
習慣
私たちは正しい習慣を身につけなければなりません−−−長期にわたって正しい習慣を繰り返すことにより、人は正しい方向へと進んでいくものだからです。自分たちの日々の行動を観察して、それが自分たちを前進させる習慣なのか、逆に達成から遠のかせる習慣なのかを見極めなければなりません。また、長期的に見て有益な習慣となる日課や行動システムを考え出す必要があります。(私のビジョン・ボード・レッスンVision /を参照のこと)
ダレンは「日課というのは毎日必ずすることですから、そのうちに、歯を磨いたりシートベルトを締めたりするのと同じく、意識せずにできるようになります。 投資は長い時間をかけて利益を脹らませるものですが、日々の行動もそれと同じです。良い行動をしていれば、私たちはある道へと導かれますが、悪い行動、有害な行動をしていれば、まったく別な道へと導かれてしまいます。
複利効果
ダレンは、複利効果をこのように定義しています。「これは、小さな賢い選択を重ねることによって大きな報酬を得るという原則です。成功とは、一瞬一瞬に行われる決定によって獲得されるものです。それらの決定を比べてもたいした違いなどないように見えますが、蓄積される複利効果はかなりのものなのです」
もしお金を貯めて老後を楽しみたいのなら、コーヒー代に毎日4ドル使う場合の複利効果を考えてみてください。もしもその4ドルを一杯のコーヒーに使うかわりに、8%の利率で運用したとすると、20年でなんと51,833.79ドルになります。また、ランチの外食をやめて弁当を持参することでも同じ結果が得られます。そしてコーヒーとランチの両方を節約すれば、今よりも10万ドルも多く貯められることになります。
忍耐こそが答え
複利効果をうまく作用させるには、忍耐が必要です。というのも、日々の行動を変化させても、すぐに結果が出ることなどほとんどないからです。たとえば今日、摂取カロリーを150kcal減らしたとしても、今日中あるいは今週中にその違いが表れる訳ではありません。ワークアウトもまた然り。ジムに行って頑張っても、今日中あるいは今週中に成果が表れることはありません。このように日々の規律は、結果が出るまでに時間がかかるものなのです。
ダレンは、「このプロセスで一番面白いと思う点は、ものすごい結果が得られるにも関わらず、途中段階にいる時にはそのすごさをまったく感じないところです。健康や人間関係、経済状態など、この戦略を使って向上させるものが何であれ、その変化は本当に微妙で、気づかないようなものなのです」と言っています。





